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道具の流儀 2017

日本ハム・大累進 アシックスのスパイク 軽過ぎず、重過ぎない緻密に計算された珠玉の一足

 

プロ入団時に「犬より速い男」として一躍話題をさらった大累進。昨年4月の日本ハム移籍後も、自慢のスピードを武器に攻守走で存在感を発揮している。そんな男を支える自慢のギアが長年愛用する「アシックスのスパイク」。足のスペシャリストらしい、独自のこだわりが詰まった逸品の全貌に迫った。
取材・文=松井進作、写真=井田新輔


 小さいころからいつも“かけっこ”は一番。運動会でもリレーの選手としてゴールテープを切るのは決まってこの男だった。足だけは誰にも負けない。その思いが大累進を育み、大きな自信をつけさせてくれた。それだけに爆発的なスピードを生み出すスパイクへのこだわりも人一倍。中でも興味深いのは「軽過ぎてはいけない」という点だ。

「僕も最初はとにかく軽量化ばかりに重点を置いていたんですけど、あるときにあまりに軽過ぎて足が“空回りするような感覚”になったんですよね。そのときに軽いだけではダメなんだなと気付いたんです」

 現在履いているスパイクを持たせてもらうとズッシリと重さを感じることができる。これこそが一番のポイントだという。「僕にとっては軽さの中にもあえて重さがあったほうが“走っている感”があるんですよね」。たとえるなら競輪選手が自転車の車輪に付けるホイールのような役割だろうか。スパイクに適度な重さを与えてあげることで足の回転数は上がり、野球に必要な瞬発的なスピードをもたらしてくれる。

ローカット気味のオリジナリティーある履き口。「足首がゆるい」大累に合った絶妙な高さと履き心地を実現している


 またローカット気味の履き口にもオリジナリティーがある。「ほかの方が履いたらメッチャ走りづらいと思いますよ(苦笑)」と本人が語るように、革はくるぶしあたりに・・・

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