開幕スタメンこそ逃したものの、すぐにレギュラーの座を取り返した。それは常に新たなポジションへ挑戦を続けてきたことで手にした究極のユーティリティー性があったから。その象徴と言えるのが、ファーストミット&内外野グラブという3つのミット&グラブだ。 取材・文=杉浦多夢 写真=小山真司、BBM 遊撃で2013、16年とゴールデン・グラブに輝き、17年には二塁でベストナイン、昨季は三塁をメーンに全試合出場を果たしたカモメのチームリーダーは今季、ファーストを主戦場に内野全ポジションを守り、さらにはプロ初となる左翼の守備にも就いた。好調なバットでも打線を活気づけている
鈴木大地は“レギュラー格のユーティリティー”という稀有な存在へ変ぼうを遂げている。
「便利屋とかユーティリティーとか、人によって言い方やとらえ方はそれぞれですけど、僕自身は悪くとらえていないです。結局、『勝つためにはお前が必要だ』と思われる選手になること。誰かが欠けたときにそのポジションに僕が入って『お前がいてくれてよかった』と言われれば、それは必要とされているということですから。それにどんなネーミングをつけてもらっても、かまわないです」
そう前を向く鈴木だが、今季は苦しいスタートだった。新加入した
レアードとの三塁のレギュラー争いに敗れ、開幕スタメンを逃した。だが、そのことが今の鈴木を生み出したといっていい。
「オープン戦までサードでしか練習していなかったんです。そこで勝負しよう、と。でも開幕前の最後の練習で井口(
井口資仁)監督と鳥越(
鳥越裕介)ヘッドに・・・
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