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金城龍彦 外野手 #1

泥臭く積み重ねてきた1500安打

 

敵地でありながら、スタンドからあふれんばかりの歓声が背番号1を祝福した。9月14日に行われた神宮でのヤクルト戦で、プロ14年目の金城龍彦が生え抜きとしては球団6人目となる1500安打を達成した。

一塁上で花束を受け取り、はにかんだような笑みを浮かべた。2回の第1打席で左前打を放ち、王手。そして7回の3打席目。「先頭打者だったので、とにかく打つことに集中した」。外角低めに身をかがませ、食らいつくようにバットの先をぶつけ、中前打を放ち、あっさりと節目に到達した。

会心のスイングとはいかない泥臭い1500本目。だが、むしろ金城が積み重ねてきた14年を象徴していた。社会人時代は投手だった金城。プロ入りと同時に打者に転向し、その時点で4年間もバットを握っていない状態。ブランクを埋めようと入団後は必死だった。

「1500本。よく打ったもんだ」。

その言葉は、やはりどこか感慨深げだった。だが、悔しさが先に立つ。3対6での敗戦に、「チャンスで打てなかったせいで負けた」。横浜が優勝した翌年の1999年に入団。2000年には首位打者、新人王の栄冠を手にしたものの、チームは低空飛行を続けており、ベテランは今もなお、勝利を渇望している。

新沼の引退が決まり、三浦に次ぐ古株となった。近年はスタメン出場も減っている。だからこそ実直な36歳は言う。「記録なんて関係ない。ただ、自分はユニフォームを着てグラウンドに出られるだけで幸せ」。そしてこう続ける。「自分はまだ進行形。もっと技術を磨かないと」。優勝という最上の喜びを知らないままプロ人生は終えられない。

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