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塩見貴洋 投手 #11 & 辛島航 投手 #58

先発左腕不在の非常事態

 



 左腕不足から始まった今シーズン。星野仙一監督は「左がいないんだよな……」というセリフを、これまでに何度も口にした。先発投手の柱となるべき塩見貴洋辛島航の両左腕が開幕を前に離脱。左ヒジを痛めた辛島については「夏くらいだろう……」と指揮官は語っており、左肩を痛めた塩見も慎重に練習をこなしている。両投手とも復帰は後半戦になりそうだ。

 現在の先発ローテ投手は絶対エースの田中将大、新人で奮闘中の則本昂大永井怜戸村健次菊池保則。そのほか、5月23日に巨人打線にKOされて二軍落ちした美馬学、開幕ローテだったダックワース釜田佳直に、上園啓史と、今季、先発した投手はすべて右投手という非常事態だ。

 昨年、8勝を記録し台頭した辛島と、一昨年、新人で9勝を挙げた塩見。ともに昨年秋のキャンプでは戸村、釜田、菊池と5人で星野監督直々のノックを毎日こなし、首脳陣が注目する先発ローテ候補「AKB闘将5」として今季の飛躍が期待されていた。釜田もフォームに悩み、不調のため二軍落ちしており、6月6日現在一軍にいるのは戸村、菊池の2人だけというのはさみしい現状といえる。

 それでも新外国人、A.ジョーンズ、C.マギーの存在感と、野手陣の奮闘が光り、好位置につけているチーム。外野手の牧田明久が左手首の腱断裂で離脱した以外は、大きな故障者もなくここまで来ている。

 人員不足ながら、Aクラス争いを展開できている。後半戦、塩見、辛島が戻り、一線で力を発揮できるようになれば、優勝を目指す上で、これ以上ない戦力アップとなるだろう。
オーロラビジョン

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