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藤岡好明 投手 #40

勝利を呼ぶ右腕

 



 6月9日の中日戦(ナゴヤドーム)、中継ぎ右腕の藤岡好明が、早くも今季4勝目をマークした。3番手の柳瀬が2点を失って同点に追い付かれた7回。なおも一死一、二塁のピンチでマウンドに上がった。クラークを一ゴロ、谷繁を遊ゴロに打ち取りピンチを切り抜けた。直後の8回に味方が勝ち越し。交流戦終盤でチームの4連勝を導き、4度目の交流戦Vに大きく貢献した。

 開幕から交流戦終了時点まで29試合に登板し、防御率2.33。ファルケンボーグ、千賀、岩嵜、五十嵐……と強力な救援陣を誇るチームにあって、ビハインドの場面での登板も多いが、抜群の安定感でチームからの信頼も日に日に増している。中継ぎで挙げた4勝は、リズムの良い投球が味方打線に好影響を与えている何よりの証しだ。「僕のいまのピッチングは、いかに力を抜いて投げるかがテーマ」と好調の要因を分析する。

 白星がつかなかった試合でも、リラックスの精神が大きな仕事につながった例もある。5月29日の巨人戦(東京ドーム)。1点リードの6回一死で先発・寺原が左腰に痛みを訴えて降板。緊急登板となったが、一発のある村田を内角シュートで右飛。二死からロペスも内角シュートで空振り三振に仕留め、敵地での巨人戦2連勝に貢献した。「 最近は若いときと違って、球威で押すだけでは通用しなくなってきた。打者を打ち取ることを最優先し、キレで勝負しようと思うようになった」

 オフに行ったロサンゼルスでの自主トレ中に、食事に誘われたヤンキース・黒田からの助言を胸に抱く右腕が、プロ入り8年目で、大きな飛躍を遂げようとしている。
オーロラビジョン

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