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鴨志田貴司 投手 #39

待ちに待ったプロ初勝利!!

 



 年目のベテラン・鴨志田貴司が歓喜の笑みを見せた。「うれしいけど、ちょっと恥ずかしいですね。みんなに感謝したい」。2連敗で迎えた交流戦最終戦、6月16日のヤクルト戦(京セラドーム)で6回二死一、三塁から3番手として登板。打者1人を3球で打ち取ってピンチをしのぐと、直後に味方が大逆転し史上2番目に遅い初勝利が転がり込んだ。

 念願の初勝利だった。高校時代は最速152キロの直球を武器に「東の鴨志田、西の寺原(現ソフトバンク)」と言われた逸材。2002年に茨城・水戸短大付高(現水戸啓明高)からドラフト3巡目で巨人入り。だが、巨大戦力の中でなかなか、結果を出せず06年オフにトレードで移籍。「自分の生きる道を探した。昔のような速い球だけじゃ居場所がなかった」。本格派右腕からサイドスローにフォームを変更し活路を見いだした。プロ通算89試合目でつかんだ白星に「12年と聞けば長いが、あっという間だった。腐ることなくやってきて良かった」と感慨深く語った。

 オリックスの中継ぎ陣は佐藤達、岸田、平野佳と勝ちパターンは決まっている。だが、そのほかの投手は未知数なのが現状だ。西本投手兼バッテリーコーチも「若手、ベテラン、右左問わずチャンスはある。調子のいい選手をどんどん使っていく」と期待を寄せている。

 交流戦が終わり、6連戦が基本となるリーグ戦が再開。登板機会は今後より増えてくる。鴨志田は「これをきっかけにチームに貢献したい。どんな場面でも常にマウンドに上がる準備をしたい」と力強く語った。一軍の舞台に飢えたベテランが、森脇オリックスのブルペンを支える。
オーロラビジョン

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