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嘉弥真新也 投手 #57

フル回転を誓う中継ぎ左腕

 



 23歳の中継ぎ左腕、嘉弥真新也にとって2013年は大きな経験を得たシーズンになった。プロ1年目の昨季は一軍登板わずか4試合。ここ数年、左の救援陣が手薄な状況の中、社会人から即戦力と期待され入団したが、ルーキーイヤーは不完全燃焼に終わった。今季も二軍スタートとなったが、5月にウエスタン・リーグ4試合に登板(先発3試合)して3勝(防御率0.43)をマーク。同リーグの5月度月間MVPを初受賞するなどしてはい上がった。

 同じ中継ぎ左腕の森福が開幕直後から不振に苦しんだこともあり、5月末に一軍初昇格。特に左打者に対しての安定感ある投球で徐々に首脳陣の信頼を得ると、ブルペンに欠かせない投手へと成長した。7月15日のロッテ戦(QVCマリン)、先発の大場が4回途中で早々とKOされると、1点ビハインドの4回二死満塁の場面で登板した。「左打者ならいくぞ、と言われていたんで思い切り腕を振っていった」と左の根元を二ゴロに封じてピンチを切り抜けると、2回1/3を無失点。味方の逆転を呼び込みプロ初勝利を手にした。

 8月29日のロッテ戦でも、先発した大場の後を受け、2回1/3を無失点に抑え本拠地初勝利もマークした。1月のグアム自主トレでともに汗を流した「師匠」の森福と同じく171センチと小柄な体型。「二軍を甘く見ているわけではないですが、同じ1イニングを投げるでも一軍と二軍では疲れ方が違う」。中継ぎとしてほぼ1シーズンを一軍で過ごし、疲労も当然ある。左の中継ぎが手薄だった昨季まで、森福は2年連続で60試合以上に登板した。だが、「自分が仕事すれば、森福さんの負担も軽くなる」とラストまでフル回転を誓う。
オーロラビジョン

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