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河野秀数 投手 #59

スペシャリストとしてひた走るルーキーイヤー

 



 居場所をつかんだ。ドラフト7位ルーキーの河野秀数が、下剋上で一軍に定着した。前半戦は2度昇格しながらもともに約10日前後で二軍降格。短期での「体験」の意味合いが強かったが、オールスター明け直後の7月25日に昇格してからは、シーズン最佳境で中継ぎ陣のキーマンの1人になっている。「何とかやっているだけです。使ってもらってるので」と無欲の進撃を続けている。

 地味だが要職を任されている。楽天ジョーンズマギーロッテは井口、ソフトバンクは内川と松田、西武は浅村、オリックス李大浩……。今季のパ・リーグは右の強打者が各チームの中軸を担い、勝敗のポイントになっている。

 そこで対抗策として抜てきされたのが河野。右横手からの変則フォームに、キレのある直球と独特の軌道を描くスライダー。主にワンポイントで投入されている。

 9月10日現在で25試合に登板して8ホールド、防御率2.03と安定した数字を残し、着実に信頼度を増してきた。栗山監督は「右(打者)に強いのは誰なのか。それをずっと探してきたんだ。河野ができないかなと。よくやっているよね」と手放しで絶賛する。今シーズンは増井がやや不安定な中での救世主的な存在として、チャンスを切り開いてきた。

 昨年のドラフトで日本ハムに指名された7選手の中で順位は最下位だった。大学・社会人の4投手いたが、ほか3人は各カテゴリーで実績、知名度も十分の即戦力。河野がそれを押しのける勢いで終盤を駆け抜けている。「もう必死ですよ」とガムシャラに無心で、持ち場を築いた。右のスラッガーキラーの看板を確固たるものにして、未来の野球人生を切り開く。
オーロラビジョン

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