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宮川将 投手 #90

踏まれて育つ雑草魂

 



 日に日にチームの信頼を勝ち取ってきている。今季、育成選手として入団した宮川将。6月に支配下選手登録を勝ち取ると、そのまま一軍に帯同。「一軍に上がったときにはすでに上位にいて、雰囲気も良くて、すごく楽しいと感じました」。初めて、一軍の空気に触れたときの感想だった。

 星野監督も、宮川には期待をかける。「あいつに何とか勝ちをつけさせたい。1勝するということは全然違う」。その思いはすぐに実現する。8月5日の日本ハム戦(札幌ドーム)でプロ初勝利を挙げた。

 だが、すぐに挫折も味わった。8月10日のソフトバンク戦(Kスタ宮城)で3本塁打を浴びた。クセを盗まれたとして、二軍に降格。

 投手陣のリーダーでもある小山伸の言葉が胸に残る。「最初は教えられたデータもないし、抑えられて当然の部分もある。ここから、相手も研究して臨んでくるから、そこは気をつけておけ」。二軍で課題を修正し、8月の下旬にまた一軍へ帰ってきた。

 小学生のときに両親が離婚。父・欣也さんに男手ひとつで育てられた。初勝利のときは「4月に二軍で初勝利した球を父に贈ったら『ここがゴールじゃない』と言われた。一軍で勝つことができてうれしい」と語った。苦労をかみ締めるように振り返るその姿。その雑草魂は、星野監督も評価するところだ。

 シーズンも終盤に入り、球団初の優勝が、いよいよ現実味を帯びてきた。「ずっと一軍にいられる保証はないけど、使ってもらえたら何とか貢献していきたい」。

 投手陣もケガ人が出始めてきている。総力戦だ。この男にかかる期待は大きい。
オーロラビジョン

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