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上田剛史 外野手 #50

ヤクルト 上田剛史 バレンティンの前に出塁できるように

 



 攻守にわたって足でチームをもり立てているのが上田剛史だ。プロとして自分の中で一番誇れる部分は? という質問に「足」と即答するほど。盗塁数は15(9月18日現在)とまだまだ物足りないが、チームトップの数字をマークしている。「僕が出て一塁でプレッシャーをかけたい。バレンティンの前に出塁できるように。それが自分の役目と思っている」

 2011年にはイースタン・リーグで2位に27の差を付ける55で盗塁王を獲得した。当初は「投手のクイックモーションの速さ」など一軍と二軍の差に戸惑った部分もあったというが、徐々に力を発揮しだした。今季序盤はリードを大きく取り過ぎたために、けん制に対する注意ばかりに意識がいってしまい、なかなかスタートが切れなかった。そこで二軍の福地寿樹外野守備走塁コーチに相談。リードを少し小さくして、スタートに意識を集中する方法に変更し「思い切りスタートが切れるようになった」と胸を張る。

 二番を任されることの多い打撃でも、背番号50の快足は脅威。野手の間に転がせば内野安打にするだけの脚力があるため、相手にとっては厄介な存在だ。「敵の嫌がる攻撃をしていけば、勝利へのチャンスは広がっていく」。8月29日中日戦(神宮)では7回に中堅方向への安打を放つと、相手の中継プレーの乱れの間に一気に本塁に生還した。

 守っても広い守備範囲を誇り、ダイビングキャッチも連発。チームの窮地を何度も救ってきた。同13日の同カードでは2度の補殺でサヨナラ勝ちにつなげた。「試合に使ってもらっている以上は責任がある。ヘタなプレーはできない」。プロ7年目、自覚も十分だ。
オーロラビジョン

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