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W.M.ペーニャ 外野手 #55

打棒発揮できず、残留は絶望的

 



最後まで快音は戻らなかった。10月7日午後、W.M.ペーニャは成田空港経由の航空機で帰国の途に就いた。「今年はケガでチームを助けることができなかった。帰国した後もまたホークスに戻ってプレーするために準備する」。ただ、意気込みとは対照的に来季残留の目はほぼ、ない。今季、191センチ、118キロの巨体から生まれた本塁打はたった1本だった。

 昨季、チーム最多21本塁打を放ったカリビアンは今季、四番候補と期待された。だが、開幕から不振にあえいだ。その原因は右ヒザの痛みからくるものだった。痛みをこらえ、プレーしたが体重を乗せ、タメを作ることができず、55試合で打率.233、16打点。痛みをこらえることができなくなった7月には、帰国してメスも入れた。ただ、9月11日の西武戦(ヤフオクドーム)で一軍復帰後も15試合、打率.273、8打点とかつて「ソーサ2世」と呼ばれた爆発力はついに復活しなかった。

 同じく痛みを抱えた助っ人ラヘアは対照的に2年契約の2年目となる来季は残留が基本線。昨季はメジャーで16本塁打を放ち、球宴に出場したほどの大物助っ人だ。111試合、打率.230、16本塁打、57打点。9月26日(日本時間27日)にアメリカで左手関節軟骨障害の手術を行った。来季の年俸を払い、契約を解除するバイアウトも可能だったが、「手首の痛みに悩まされた」と本人が語るように、万全の状態で再度、その力量を確かめる考えだ。

 石渡茂編成育成部長は「外国人選手については10月中までに決める。帰国後も交渉することはある」と語った。ペーニャが退団し、ラヘアが残る。この選択の白黒は来年の今ごろ、出ているだろう。
オーロラビジョン

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