ベテラン・
日高剛にとっては出番の限られたシーズンだった。前半は27試合に出場、後半は17試合にとどまった。
オリックスからFA権を行使して移籍した男は「最後の悪あがき」といってタテジマのユニフォームに袖を通したが、不完全燃焼のシーズンだったようだ。
今季44試合に出場した日高自身は「もう少しゲームに出ないといけなかった」と振り返る。開幕一軍メンバー入りも、正捕手は藤井彰が基本線だった。しかし、2番手捕手という役割だったが、先発に転向したサウスポーの榎田とコンビを組んでG倒に貢献するなどアピールを続けた。
日高にとって痛かったのは夏場に戦線離脱したことだった。7月6日の
広島戦(マツダ広島)で守備中に左太ももを痛めた。「この1年が勝負だと思っていたので、ケガをしたことは悔しかった」。フルシーズンを戦い抜くことができなかった無念さはにじみ出た。再び一軍にカムバックしてきたときは、すでにシーズンも終盤にさしかかった8月下旬だった。同25日の対
中日戦(ナゴヤドーム)では復帰後初のスタメン出場で通算1500試合出場を果たした。「1つひとつ、いろんな人に助けられた結果だった」
ただシーズン終盤になるにつれて、本職のキャッチャーより代打で登場する機会が増えていった。チームにとって捕手の固定は懸案事項になっている。若手の清水がマスクをかぶる機会が増えるなど、日高の出番は減少していったのだ。
日高は「キャッチャーは年齢じゃない」という。来季は2年契約の最終年を迎える。また新たな気持ちでベテランの意地を見せつけるシーズンになりそうだ。