週刊ベースボールONLINE

藤岡好明 投手 #22

勝利の方程式再構築のキーマン

 



 期待あふれる新戦力として脚光を浴びている。ソフトバンクから加入した藤岡好明だ。FA移籍した鶴岡の人的補償で白羽の矢が立った。

 通算255試合登板の実績を誇る中継ぎのスペシャリスト。栗山監督がかねてから球団側に獲得を打診していた、待望の横手の変則右腕だ。最下位に終わった昨季からの巻き返しへ向けた、戦力補強策の目玉の1人だ。

 勝利の方程式の一角に起用される可能性が早くも浮上。昨季は6月に肝機能低下の病を患ったこともあり、シーズン中盤以降は棒に振った。長いリハビリ生活を経て順調に回復。リスクはないと判断した日本ハム側は、迷わず藤岡を指名した。救援陣の一翼を担える力があると冷静に見極めた。藤岡は「日本ハムは競った試合に強い印象。そこで投げたい」と誓う。

 先発陣の不振に注目が集まりがちだが、昨季はブルペンも不安定だった。守護神の武田久、左腕の宮西、セットアッパー増井……。乱調で逃げ切れなかった試合が続出。失速する大きな要因の一つになり、チームが通年で立て直せなかった背景がある。藤岡も課せられた使命を、肝に銘じている。「チームの悪い流れを変えられるような投球をしたい」

 大阪で生まれて高校、社会人は九州で育った。福岡は愛着のある土地だ。移籍を知らされた当初は「動揺した」が、未練を断ち切った。「北海道で新しい自分をつくって、恩返ししたい」と強い決意をのぞかせた。

 3月で29歳と、今後増していく円熟味も魅力。栗山監督は「藤岡を打つより、獲った方が早い」と最大限の賛辞を送る。すでに描く逆襲構想の中に、藤岡がいる。
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング