勝負の年になることは、本人が誰よりも分かっているはずだ。支配下登録1年目だった昨季、チームトップタイの9勝を挙げた
西野勇士。プロ6年目を迎えるが、今季が実質的な2年目だ。「育成の星」は、まさに彗星のごとく現れた。開幕直後から先発ローテーションの一角を担い、先発陣のコマ不足を見事に解消した。終盤に右肩痛で一時離脱を強いられたが、「伊東
ロッテ」の投手陣の柱と言ってもいい存在に急成長を遂げた。もちろん、首脳陣は今季もさらなる飛躍を期待している。西野も「あと一歩のところで2ケタ勝利を逃したので、何とか2ケタ勝利を目指す」と意気込む。
だが、先発で起用されるとは限らない。国内FAで
西武から移籍した涌井や、ドラフト1位右腕・石川(東京ガス)など先発陣の層が一気に厚くなった。そこで伊東監督が考えているのは、リリーフ転向プランだ。昨年10月のCSでは右肩の負担を考慮して、救援として起用された。ファーストステージとファイナルステージで計4試合に登板。わずか1失点で防御率1.42という好投を見せ、リリーフとしての適性を証明した。1月に伊東監督は「CSでいい投球をしてくれた。今季は中継ぎかクローザーに回すかも」と明言した。
西野もまだ完全に地位を確立したわけではない。だからこそ「シーズンを通して一軍で投げることが目標。リリーフは先発と違う充実感もある。フォークがあるので、自分でも(リリーフが)似合うと思う」と前向きだ。
今季から背番号が「67」から、
村田兆治氏や
小野晋吾氏らが背負った背番号「29」に変更される。どのポジションでも新境地を切り拓くことが期待されている。