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杉村繁 コーチ #74

杉村繁コーチ 杉村イズムの浸透で飛躍する若手

 



 横浜時代の内川(現ソフトバンク)、ヤクルト時代の青木(現ロイヤルズ)を指導し、いまや日米を代表する安打製造機を育成した手腕を持つのが、今年から一軍打撃コーチに配置換えとなった杉村繁コーチだ。卓越した野球理論で知られるが、大切にしているのは、「いかに選手の心を動かすか」。「スポーツは精神力が8割」と言い切る同コーチは「心がともなわないと、技術もともなわない」と教え方に細心の注意を払い、選手が一年でも長く活躍することを大切に指導している。

 新人時代から指導を受ける山田を中心に、選手からの信頼は厚い。「だらだらやるのではなく、時間を設定して集中してやるからやりやすい」「一つ一つの練習の意図を説明してくれるから、納得して取り組める」。そう語るのは、昨年、極度の不振で二軍落ちをした際に指導を受け、復調した畠山だ。

「畠山は開いた足を踏み込むようにして打つようになって、彼本来のスイングができなくなってしまっていた。彼本来の良さは、バットが内から外に出て右方向に強い打球が飛ばせること」。こう語る杉村コーチと沖縄キャンプでは、連日二人三脚で打撃練習を繰り返した。「これで成績が出なくても、納得できる。だから信頼してついていくだけ」と背番号33は語る。2月25日のロッテとの練習試合(西都)では満塁弾も飛び出し、かつての打棒が復活の兆しを見せている。

 さらに、指導を受ける若手は好調な打撃を見せている。今年レギュラー定着に燃える山田に加え、昨年二軍で活躍した西田も打撃好調で一軍捕手争いが活性化。杉村イズムの浸透でさらに多くの若手が飛躍しそうだ。
オーロラビジョン

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週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

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