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フィリップス投手・チームの救世主となるべく出番の時を待つ

 



 必ず出番は来ると信じ、寡黙に左腕を振り続けている。新外国人投手のザック・フィリップスは、左腕不足が顕著なチームの救世主になれる存在だ。アメリカでは最速155キロの直球にカーブ、スライダー、チェンジアップの変化球を交え、中継ぎの役割を担ってきた。先発登板もいとわない27歳はチャンスを求めて海を渡ってきたのだ。

 親交のある元巨人・アルバラデホにも背中を押され、日本行きを決意。「自分では中継ぎが効果的だと思うけど、求められたところで準備したい」と、「便利屋OK」の構えだ。外国人枠4に対し、今季の助っ人勢は6人。不動の四番・キラ、先発2番手のバリントン、抑えのミコライオは開幕一軍が決定済み。残り1枠を巡り、左翼候補のエルドレッドロサリオと激しい争いを繰り広げている。

 日南キャンプ中は異国のルールに戸惑いもあった。キャンプ初日から、けん制球を投げる際に腰をひねり過ぎる点を審判団から指摘された。2月16日の紅白戦では1イニングでボーク2個を献上。それでも「アメリカとルールが違うことが分かった。長くボールを持って、しっかり止めれば大丈夫と言われたので、これから練習したい」と前向きに修正に取り組み、もう問題はなさそうだ。

 対外試合は3月12日のオープン戦・阪神戦(コザしんきん)を終えた時点で5試合に登板し、計5回を2失点。左打者にプレートの三塁側、右打者には中央部分を踏んで角度をつける直球は威力を誇る。現状はエルドレッドが好調をキープしていることもあり、開幕一軍は難しい状況。ただ、開幕一軍を逃しても、ザックに白羽の矢が立つ可能性は十分ある。
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