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大引啓次内野手・“2年目の新天地”で胸に秘める大逆襲

 



 新キャプテンを任された大引啓次は胸にズシリと重みを感じている。「稲葉さん、金子さんがサポートしてくれるので、あまり力まずにやれています」。日本ハムでは2年ぶりの主将制が復活し、そのポストに就任した。オリックスから大型の電撃トレードで移籍して2年目。栗山監督がリーダーシップにほれ込み、直々に指名された。

 運命を感じる要職が巡ってきた。昨季はトレードの相手側の交換要員だったオリックスの糸井が、キャプテンに内定していた。キャンプイン直前の昨年1月にお互いに入れ替わる形となり、1年間は「空位」だったが、そこに大引が収まった。昨季までの10年間で日本一1度を含むリーグ優勝4度を遂げた常勝球団に加入も、移籍1年目の昨季は最下位。複雑な思いでオフを過ごした。

 戦力補強として自分が加入したにもかかわらず、チームは大不振。120試合に出場して打率.266は、直近の4年間で自己最高だった。プロ1年目の07年の年間108安打にあと1本に迫り、個人記録では一定の数字を残したが、チームの順位には反映されず。やり切れなさを抱えていた昨年11月、指揮官からキャプテンに任命された。折れそうな気持ちが奮い立った。

 今年6月で30歳。プロ入り8年目を、特別な思いで迎える。中田、陽岱鋼、大谷ら個性あふれる若手が居並ぶタレント軍団を、グラウンドで引っ張る立場だ。胸にはキャプテンを意味する「Cマーク」がデザインされた、ただ1人が着用するユニフォームに、実感がこもる。「僕は見えないけれど、みんなには見える。見られている。しっかりやることはやる」。責任感は、さらに強くなった。
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