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大島洋平外野手・目指すはフル出場とチームの勝利

 



 周囲の心配などどこ吹く風で、大島洋平は「予定どおり」とでも言いたげだった。「開幕に間に合わせるための手術でしたから、自分ではずっと大丈夫だと思っていました。ただ、無理をしてしまうことだけは避けたかったんです」

 昨季の全日程終了後に左ヒジを手術した。痛みに苦しみ、無意識にかばっていたために打撃フォームを崩す元凶となっていた軟骨は、10個を軽く超えるほど摘出されたそうだ。そこから、リハビリをスタートさせた。

 オフに吉見からバトンを渡され、選手会長に就任したが、大島本人の希望もあって春季キャンプは二軍の読谷で過ごした。「チームリーダー不在」を懸念する声もあったが、ファンも報道陣も多い一軍にいれば、知らず知らずのうちにオーバーワークとなりかねない。実際、二軍ですらキャンプ終盤に左ヒジの違和感を覚え、実戦復帰のスケジュールをずらしたほどだった。

 はやる気持ちを制御できたからこそ、オープン戦では10試合に出場し、打率.314と結果を残せた。期待される盗塁も3(失敗は1)。谷繁兼任監督は安心した表情で「一番・中堅」での起用を明言した。「四番の平田と一番の大島。この2人が中心となって、新しいチームを引っ張ってもらいたい」

 肩書だけではないけん引役を求めている。ベテランが多いチーム構成で、この2人は貴重な20歳代のレギュラーだ。「個人としては休むことなく、しっかりと試合に出続ける。チームとしてはもちろん勝つ。この2つにこだわります」。新体制でペナント奪回に挑むシーズンの、これが大島流のリーダーシップだ。
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