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吉原正平投手・強気の投球スタイルで名を残す

 



 話題性という面では、そこまで目を引く存在ではないかもしれない。ただ、実力は間違いない。ロッテのドラフト4位右腕・吉原正平。貴重な中継ぎとして、念願だった開幕一軍の座をつかみとった。

 肝が据わっている。日本生命の花野前監督は「普段は優しいヤツなんですが、野球に関しては本当に負けず嫌いで気が強い。顔に性格が出る」と話す。球速は140キロ前半で、チェンジアップ、カーブ、スライダーともにストライクが取れる。特に内角への直球が武器で、伊東監督も「投げっぷりがいいよね。強気にどんどん投げられる度胸もある」と高く評価する。

 今オフに西武から国内FAで涌井を獲得した。その代償の人的保証で中継ぎの中郷を手放すことになった。昨季は37試合、12年も44試合に登板するなど、ブルペンを支えてきた貴重な戦力だった。吉原はその穴を埋める活躍を期待されて、開幕一軍メンバーに名を連ねた。3月29日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)では3番手としてマウンドに上がり、早々に一軍デビューを果たした。

「幕張のアジャ」ことドラフト5位・井上や、巨人のドラ1捕手・小林はともに日本生命のチームメートだった。「話題では井上や小林の方が上。知り合いからは『お前、全然、新聞で記事になってないじゃないか』と言われるんですけど、それでいいんです。僕は野球で結果を出して取り上げてもらえれば」。話題性ではなく実力で名を残す王道のプロ野球選手を目指す。

 すでに結婚しており、昨年には長男も授かった。「ほかの新人選手と違って守るべきものがある。やるしかない」。子持ちルーキーの挑戦は始まったばかりだ。
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