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原拓也内野手・ユーティリティーを武器に

 



 今年30歳を迎えるプロ8年目の原拓也が確固たる決意で今季に挑んでいる。「オリックスに移籍して2年目のシーズンになる。自分の役割も分かっているし、どんな形でも優勝するために貢献したい」。西武からトレード移籍した昨年は試合数こそ67試合にとどまったが打率.253をマーク。さらに内野守備は捕手以外をすべて守り、ユーティリティープレーヤーとしてチームを支えた。

 勝利のために自らを殺しチームプレーに徹している。西武時代の2011年は平野謙を上回る球団新記録の51犠打を記録するなど、いぶし銀の輝きを放つプレースタイルが最大の魅力だ。5年連続のBクラスから巻き返しを図る14年。沖縄宮古島・春季キャンプでは若手に交じり連日特守に加わった。「今からホームラン打者になれるか? と言われても無理な話。自分の力をどれだけ伸ばせるか」。一塁、二塁、遊撃、三塁と入れ替わり立ち替わりでボールを追いかける姿があった。

 オープン戦で結果を残し開幕一軍を勝ち取り、4月4日の西武戦(京セラドーム)で「六番・二塁手」で今季初スタメンを果たす。2点リードの6回無死一塁。ダメ押しとなる右翼越え適時三塁打でエース・金子を援護した。8回の第4打席でも中前打を放ちマルチ安打を記録。昨年は古巣相手に打率.375と相性の良さを買われた原拓は「西武戦では去年あれだけ打てたから。打たなかったら意味がないし、ほかでも使ってもらえるように打たないと」と胸を張った。

 森脇監督も「全員で戦うことが今シーズンのスタイル」と攻守に存在感を見せた原拓を称えた。好調なスタートを切ったオリックスはワキ役たちの存在が光っている。
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