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森福允彦投手・巨大戦力の中でも変わらぬ存在感

 



 V 奪回へ向けて、欠かせない1ピースだ。4月12日のオリックス戦(ヤフオクドーム)。1点リードの6回二死二塁の場面で、森福允彦が先発の中田に代わりマウンドに登った。相手ベンチは左のT−岡田に代え、代打に高橋を指名。ここで「左キラー」は、落ち着いたマウンドさばきを見せた。「二死だったので、どんな形でもアウトを取ればいいと思えて気が楽だった」。高橋には厳しいコースを突き四球。続く左の坂口を1ボールからスライダーを3球続けて空振り三振に切った。リードした場面での登板は今季初だったが、しっかりと仕事を果たした。

 57試合に登板した昨季は、対左の被打率が.167。本塁打は1本も許さなかった。11年からの登板数は60、65、57。貴重な中継ぎとして3年連続で50試合以上に登板し、勝利に貢献してきた。ただ今季は守護神のサファテ、8回を担う五十嵐、2年ぶりにチームに復帰した岡島と救援陣の層は厚くハイレベル。昨季までに比べ早いイニングでの登板が多いが「左キラー」としてベンチの信頼は厚い。

 今季は自身初のタイトルとしてホールド王と、自己最多の70試合以上登板を目標に掲げる。シーズンを通して質の高い投球を維持するため、肩やヒジへの負担を減らす目的で従来より重心を低くしたフォームに改造。さらに新球のチェンジアップも習得した。「(チェンジアップが)あるのとないので全然違う。打者を悩ませることができる」。真っすぐとスライダー、シュートのキレ味で勝負するスタイルに変わりはないが、打者のタイミングを外す球種を一つ増やすことで投球の幅を広げた。172センチの小柄な左腕が、3年ぶりのV奪回に貢献する。
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