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大崎雄太朗外野手・スタメンでも代打でも、必要とされるところで――

 



 困ったとき、いつも頼れる存在なのが大崎雄太朗だ。2012年、チームが絶不調の中、6月から先発起用が続くと、レギュラーに定着し、チーム浮上のきっかけとなった。昨季も、代打の切り札として結果を残し、徐々に存在感を示していくと、その勝負強さから5月12日には、主砲・中村を欠く事情もあり、「日替わり四番」として抜擢された。この日、4打数2安打2打点と期待に応えて信頼を勝ち取ると、その後はレギュラーとしての出場が続き、苦しいチーム状態を支えた。

 チームに変革や刺激を必要とするとき、その役割を任され、結果を残す。まさに「いぶし銀」の名に相応しく、チームにとって欠かせぬ存在となっている。

 今季、伊原監督が就任直後から描いていた構想は、三番・浅村、四番・中村、五番にDHの坂田。中軸となるべき中村と坂田が離脱し、大誤算で打線が苦しむ中、指名打者としてのスタメン起用が増えている。

 一方で、出場数の半分は代打での起用だが、そこで一打が出ないことが自身の課題と捉えていた。「代打での出場が続くと、体のキレがなくなってくる」という田辺コーチの助言から、ティー打撃で1日1箱の振り込みに取り組んだ。結果はすぐに表れた。4月17日のロッテ戦(西武ドーム)では5回に代打で登場すると、今季初本塁打。先発と代打での併用という難しい立場も含め、これまで歩んできた経験が全て生きているシーズンとなっている。「行けと言われたところで結果を出すだけ」

 どんな場面でも必要とされるところで輝く。“いぶし銀”の輝きが、最下位から浮上を狙うチームの確かな光となっている。
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