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平野佳寿投手・最強救援陣最後の砦

 



 球界を代表する守護神は今年も健在だ。好調のチームを象徴するように4月にリーグ記録に並ぶ11セーブを挙げた平野佳寿。比嘉、馬原、佐藤達と最強リリーバーたちの最後の砦としてマウンドに上がる右腕は「勝っているチームだからできること。先発投手、野手を含めチームが一つになっている」と充実感を漂わせた。

 だが、今季初登板は苦い一戦となった。「去年も延長戦でサヨナラ負け。少し頭をよぎった」。3月28日の日本ハムとの開幕戦(札幌ドーム)。同点の9回に登板し3者凡退に抑えると、10回にペーニャのソロで勝ち越しに成功。2イニング目もマウンドに上がったが2本の二塁打を浴び同点に追いつかれ、その後チームはプロ野球史上初となる2年連続延長12回サヨナラ負け。

 屈辱をバネに、これまで14試合に登板し、1勝0敗12セーブと圧巻の内容を見せている。唯一の心配点は防御率3.00と失点する場面が多いことだが「まだシーズンが始まったばかり。点を取られているのは良くないが、それほど心配していない」と気にするそぶりはない(5月8日時点)。抑え捕手としてバッテリーを組むことが多い山崎勝も「持っている球はすべてが一級品。僕がしっかりリードしないと」と口にする。

 4年連続して60試合登板を記録する鉄腕に森脇監督も「彼の存在なくしてゲームが完了することはない。素晴らしいの一言です」と最敬礼。2006年に自由枠で入団しプロ9年目の生え抜き選手。さまざまなタイトルを獲得してきたが優勝は一度もない。「本当に優勝だけを目指してやっている。貢献したい」。オリの守護神が96年以来となるリーグ制覇に導く。
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