5月3日の
中日戦(ナゴヤドーム)だった。1回に
巨人の
阿部慎之助が左翼線に先制の適時二塁打。「今シーズン初めてのタイムリーヒットじゃないかな。二死からみんながつないだチャンスだったので、一本出て良かった」と一息ついた。
この試合までに挙げた打点はわずかに6。それも本塁打、犠飛、押し出し四球によるもの。得点圏打率は.059しかなかった。実に開幕から約1カ月、97打席目での初適時打となった。2012年には打点王に輝くなど勝負強い打撃が身上の阿部としては、驚くような数字だ。「遅過ぎた」と本人もふがいなさを感じていた。
キャンプ中から故障が続き、シーズンに入っても首を痛めるなど体調がなかなか整わなかった。打撃も崩れ、連日の早出特打を行うなど修正に必死だった。初タイムリーに「これから打てるように頑張る」と復調を誓った阿部。8日の
DeNA戦(東京ドーム)では3回に5号3ランを放ち、5回には2点打と5打点の荒稼ぎを見せた。通算本塁打数は332本となり、尊敬する
松井秀喜氏の日本時代の本塁打に並んだ。ただ、チームが敗れ「それを目標にしているわけではないから、それはいい」と興味を示さなかった。
これで完全復調かと思えたが、そこからまた当たりが止まる。9日から甲子園で行われた
阪神との3連戦では四番に座ったが、3試合連続で無安打に終わった。完封負けを喫した第3戦後には、ともに無安打に終わった三、五番と合わせ「クリーンアップがああいう形になるとしんどい」と
原辰徳監督から苦言を呈された。ここから右肩上がりを見せられるか、復調が待たれる。