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久保康友投手・チームの巻き返しに必要な右腕

 



 33歳右腕にとって苦しいマウンドが続いている。先発の柱として期待されて入団した久保康友は今季7試合で2勝3敗、防御率は4.87(5月14日現在)と苦戦。「結果を求められている立場なので。物足りないと思う」と淡々と、そして冷静に現状を振り返った。

 5月13日の中日戦(平塚)。久保は先発マウンドに立つ。1、2回は無失点で切り抜けたが3回につかまる。二死を取りながら崩れ、この回に2点を失い逆転されると、続く4回にも3失点。5回5失点と役割を果たすことができずマウンドを降りた。久保は「打ち取っている打球とは言え、下位打線に打たれてはこういう結果になってしまう」と反省した。中畑監督は

「ビッグイニングになってしまう。粘り強くという自分の投球がつくり切れていない。不安を与える投球」と表情を曇らせた。

 低迷が続くがチームが巻き返すには経験豊富な久保の復調が必要なことは言うまでもない。中畑監督は「先発陣の軸。粘り強さが生かされていない。もう一回、原点回帰してもらいたい」と大黒柱の復活を期待する。久保も「もっと練習して次回は打たれないように頑張る」と巻き返しを誓った。

 本調子ではないが、それでもベテランのすごみを見せる試合があった。5月6日の巨人戦(東京ドーム)。「ストライクゾーンの枠に投げられなかった。一軍のレベルではない。ここに立っていいのかと思った」と苦笑しながら振り返ったマウンドだ。だが強力な巨人打線相手に6回1失点で2勝目をつかんだ。たとえ最悪な状況でも何とか結果に結びつける能力を備えている。「これからですよ」と意気込む右腕の奮起に期待したい。
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