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比嘉幹貴投手・緩急で外国人打者を翻ろう

 



 変幻自在の投球で打者を牛耳る。オリックスのリリーフエース・比嘉幹貴。横手投げから140キロ後半の直球を投げたと思えば、110キロ台のカーブ、シンカーで打者のタイミングを外す。幾度となくチームのピンチを救ってきた右腕は「一人ひとりしっかり抑えることしか考えていない。走者を出しても1点をやらないことが大事」と冷静に自らを分析した。

 さらに対外国人には圧倒的な強さを見せつけている。象徴的だったのは昨季日本一に輝いた楽天戦だ。四番・ジョーンズに9打数1安打5三振、マギー(現マーリンズ)には7打数2安打2三振。完ぺきなまでの助っ人斬りに「1球ぐらい遊ぶ緩急がいいんじゃないですか」と口にする。今季は対ジョーンズには3打数無安打とパーフェクトピッチングを披露。先発投手陣の好調さもさることながら、比嘉の存在が対楽天戦、8戦8勝という快進撃につながっている。

 5月21日まで17試合に登板し3勝7ホールド、防御率0.51と圧巻の内容を見せている。2年前までワンポイントが多かったが、昨年からは左右関係なく1イニングを任される投手に成長した。馬原、佐藤達、平野佳と鉄壁のリリーフ陣がいる中、森脇監督は「ウチの切り札。7回以降にも素晴らしい投手はいるが、比嘉なくしてリレーはできない」と称賛する。

 チームは4月に球団新の18勝を挙げるなど開幕ダッシュに成功。5月も調子を落とすことなく球団史上初めて首位で交流戦に突入した。セ・リーグにはバレンティン、セペダら強力な外国人打者が待っている。「意識せずに丁寧に投げていく。自分の役割を果たすだけ」。勝利のバトンをつなぐため比嘉はマウンドに上がり続ける。
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