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久古健太郎投手・研究熱心な左キラー

 



 2011年のルーキーイヤーに初の一軍登板を果たすと、22試合連続無失点と当時のセ・リーグ新人記録を更新する華々しいデビューを飾ったのが久古健太郎だ。いまや左打者キラーとして、試合終盤の大事な場面になくてはならない存在だ。

 左斬りのポイントはバッターの「壁」を崩すこと。打者に「背中側からボールが来る」と感じさせるような投球を心掛け、いかに相手の右肩を開かせるかが大切になるという。さらにワンポイント登板に欠かせないのは状況に応じた投球だ。「点差などによって長打がダメなとき、四球を出してもいいから厳しくいかないといけないときなど、状況を冷静に把握して、投げ分けるようにしている」と、大胆さと慎重さを使い分けている。

 昨季は投球回数の29回1/3を上回る33三振を奪い、防御率も2.76と投手陣全体が不振の中で結果を残した。だが今季は5月21日現在で19試合に登板し、1勝1敗防御率9.82と苦しんでいる。「彼本来の力からすると、球のキレがまだ戻っていない。もっと良くなると思う」と高津投手コーチ。期待を込めるその左腕の最大の特徴は、コントロールの良さにあるという。「厳しいコースも突けるし、なにより四球を出さない。彼がブルペンに控えているというのは、相手ベンチにとっては嫌だと思うよ」と早期の復調を期待する。

「右打者ももちろんだが、特に左バッターには絶対打たれるわけにはいかない」とさらなる高みを目指す背番号26。

 今までとは違う直球に近い軌道の高速スライダーの習得を目指し、球のキレや軌道、手首の角度や握りなどを日々研究中。必殺の勝負球にすべく、努力を続けている。
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