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アブレイユ内野手・前半戦復帰さえ危ぶまれる右の大砲

 



 昨季パ・リーグ本塁打王のミチェル・アブレイユが、チームに暗い影を落としている。椎間板ヘルニアを発症して3月30日に自宅のあるアメリカへ帰国。「チームが日本一を目指して戦う中、体調を万全にして一日も早く戻って来たい」。一時は手術も検討されたが回避して、リハビリに励んでいる。ただ、現時点で復帰のメドは立っていない。

 今季は二刀流の大谷が投手偏重での育成計画。野手としてはDHでの出場が基本線になっている。大谷が投手として登板、または調整準備のため欠場する際は、アブレイユがDHの筆頭候補だった。若手主体のチームで、経験不足、パワーダウンが否めない中で、計算していた助っ人。打線構成に思案する栗山監督の悩みの種の一つだ。

 球団側にとっても寝耳に水の事態で、打開策は見えない。完全にDH制となる、交流戦明けのリーグ戦再開後には戦列復帰と予想されていたが、極めて厳しくなった。本人の報告によれば、状況が好転しておらず、いまだ本格的な練習も再開できていないという。ほぼ静養しているため体力面の低下も著しいと予想され、段階を経ての調整を考慮すれば、前半戦での復帰が計算できなくなった。

 ただ、ケガの功名もある。先発のメンドーサ、中継ぎのクロッタとカーター、中軸のミランダと現在、4人の外国人枠をフル活用できている。いずれも貴重な戦力として機能しており、アブレイユ不在でのプラス面があることも事実だ。復帰すれば起爆剤になることは確かだが、オフの調整不足の影響もあり、球団内では失望感が漂っている。アブレイユの存在価値は下がっていく一方だ。
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