結果には結びつかずとも、チームの先発ローテを支えている。37歳になる
川井貴志。今季初登板となった5月5日の
西武戦(西武ドーム)、6回途中無失点で勝利投手を獲得。その後、5試合に登板し4敗と白星からは遠ざかっているが、6月11日の
ヤクルト戦(コボスタ宮城)では敗戦投手となったものの、初回の先頭打者本塁打のみで6回1失点。先発として試合を作り「良かったよ」と、佐藤監督代行から合格点をもらった。
チーム内では「ボブ」と呼ばれる川井。毎年、先発ローテ陣に離脱者が出始めるころ、救世主のように現れる存在だ。「困ったとき、ウチにはボブがおるやないか」と、星野監督も口癖のように言っていた。今年も松井裕、森、美馬ら、開幕のローテ投手が二軍に行って手薄となった状況で、現在のローテーションには欠かせない存在となっている。
4日の
阪神戦(コボスタ宮城)、今季最短となる4回途中3失点で降板。3四球と制球も乱し、その登板後に「四球出すなら勝負をしていけ! 面白ない!」とメールをもらった。大阪桐蔭高時代のキャプテンからだった。「ヘコみましたね」と苦笑いして振り返る川井。同時に「原点に返って、気持ちを前面に出して投げたい」と決意を新たにした。
そして11日のヤクルト戦(コボスタ宮城)。結果こそ残念で「悔しい」と唇をかんだが、しっかりと先発の役割は果たした。
現在の先発ローテは則本、辛島、美馬、そして川井。日程上、4人で回せてはいるが、理想は6人。現在は中継ぎ調整中の松井裕や、状態の戻りつつある塩見らが加われば、厚みが増す。その中で、ベテラン左腕にかかる期待も大きい。