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上本博紀内野手・いやらしい一番打者へ

 



 同一リーグ戦に突入したチームは、二塁のポジションに誰が就くのかが注目されている。和田監督も頭を悩ますところで、それだけ上本博紀が、西岡が抜けた穴をカバーし、成長しているということだろう。

「とにかく1試合1試合ということしかない。結果を残して評価されるわけで、そこを求めていくしかないと思っている」

 特に、上本が粘り強さを感じさせたのは、自らが負傷からカムバックしてからの働きだ。5月3日のヤクルト戦(神宮)で雄平の打球を捕球し損なって右手親指を骨折。全治1カ月と見られたが、同20日のオリックス戦(京セラドーム)で戦列に戻ってきた。

 一軍復帰を果たしただけではない。再び「一番・二塁」に起用されると、そこから8度のマルチ安打(6月17日時点)をマーク、25試合連続で出塁を決めて打率3割を超えるアベレージをキープするなど、レギュラーとしてのパフォーマンスを示している。

 初の開幕一軍メンバー入りを決めたプロ6年目は、そのスタートから好調を保った。開幕カードの巨人戦(東京ドーム)で西岡が負傷すると、西岡不在を感じさせないプレーでチームを支えた。

 右手親指を骨折したゲームまで31試合出場で、打率.336の成績を残した。特に、右方向へのバッティングが目立って、相手投手からすると「いやらしい一番打者」に成長した。「ケガをする前と後と気持ちは変わっていない。まず自分ができることをやってチームに貢献したいという気持ちは同じですから」

 毎年のように故障が目立っているのは課題だが、チーム浮上に上本の存在は欠かせない。
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