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大原慎司投手・チームに欠かせぬ頭脳派左腕

 



 細身の体にはスタミナと知恵を搭載している。174センチ、66キロ。一般男性と変わらないような見た目でも、大原慎司が絶対的な地位を築き始めている。「ただガムシャラに投げていました」と振り返ったのは2011年だ。ルーキーで、いきなり71試合で起用された。33試合、58試合。翌年以降もリリーバーとして必要とされた。4年目の今季は29試合で2勝無敗、防御率2.14。ここまでオール救援で191試合に到達している(6月26日現在)。

 順調にキャリアを積む中で、アクシデントにも見舞われた。2年前から悩まされていた左手の血行障害だ。昨年オフに手術し、2月の沖縄キャンプは二軍スタートだった。「開幕に間に合わせなくてもいい。100メートルになったら言ってくれ」。中畑監督に調整を一任され、責任を感じた。「手術して不安がなくなった。ボールが指にかかる感覚。間違いなく、よくなったと思います」。開幕一軍に滑り込み「ごまかしながらやっていた」と明かす昨年にはない手応えをつかんだ。萬谷、長田、三上で構成する勝ちパターンに加わり、ビハインドの場面でも機能。川村投手コーチも「しんどいところを、本当に頑張ってくれている」と左腕へ最敬礼だ。

 新人時代の反省を生かし、今は「投球のバランス」を意識している。出番直前のブルペンは12球が基本。左打者の内角から入り、最後は外角直球で締めてマウンドへ向かうのが恒例だ。「1球で状況が変わるポジション。やっていて楽しい。最低でも50、60試合は投げたいですね」。直球とスライダーが軸の頭脳派。CS進出を目指すDeNAで、実は最も欠かせない存在だ。
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