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浦野博司投手・スーパーサブとして先発陣の救世主に

 



 全力疾走し、しばし羽を休めることになった。即戦力と期待されてドラフト2位で入団した、浦野博司投手が6月30日に出場選手登録を抹消された。開幕からローテーションの座を射止めて11試合登板。3勝1敗の数字以上の貢献をして、一時表舞台から離れる。1年目からの登板過多を考慮され、栗山監督ら首脳陣が下した措置だ。リフレッシュ休暇で、後半戦に備えさせるほど戦力として評価されている。

 昨秋のドラフトは社会人投手が豊作。オリックス吉田、ロッテ石川らが1位指名されたが、浦野はそこに名を連ねることはなかった。かねて1位指名候補と目されていたが調子を落とし、評価が急降下。プロ入りはしたが、力量を疑問視する見方もあった。ただ栗山監督は「オレはアイツはできると思っている。イメージがある」と信じ、見い出した。

 セガサミーのエースだった都市対抗での姿をチェックしていた指揮官の下、頭角を現した。キャンプは二軍スタートだったが、一軍との合同の紅白戦で快投。そこから少しずつ信頼を積み上げ、チャンスをつかんだ。節目は4月23日ソフトバンク戦(東京ドーム)。6回途中4失点ながら打線の援護を受け、プロ初勝利をつかんだ。

「点を取ってくれた野手、後ろで投げてくれた投手の方に感謝したい」。

 実績ある投手の不振で手薄だった先発陣の穴を埋め、フル稼働。フレッシュオールスターのメンバーにも選ばれた。140キロ台後半の直球、キレあるスライダーとフォークが軸の本格派右腕。勝負どころでの再登用は確実で、今は充電に集中。先発陣のジョーカーとして、カムバックする日は近い。
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