週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

秋吉亮投手・プロの洗礼も成長の糧に

 



 新人ながらチーム最多タイの30試合に登板しているのが、秋吉亮だ(7月3日現在)。中央学院大、パナソニックを経て、ドラフト3位で入団。最速146キロのストレートに加え、スライダーと2種類のチェンジアップを操る変則サイドハンド右腕の特筆すべき点は登板試合数だけでなく、先発、中継ぎ、抑えと異なる役割をこなしている点だ。

 開幕当初は、先発として起用されていたが、チーム状況により、中継ぎや抑えで登板。フル回転の活躍を見せている。守護神・バーネット、代役守護神・ロマンの故障離脱により、1年目ながらも抑えの役割を担ったが、プロの洗礼を浴びる場面もあった。5月20日のロッテ戦(QVCマリン)の1点リードで迎えた9回二死、あと一人でチームが勝利の場面で、井口に痛恨の同点ソロを被弾。カウントを取りに行った初球のスライダーを狙い打ちされた。「あの場面でそう来るか」。アマチュア時代では考えられなかったという初球からの攻撃にプロの厳しさを感じ取った。「甘い球は絶対に逃さない。プロは打ち損じがないだけに、しっかり低めに投げてゴロで打ち取ることを徹底できるかが大切」との教訓を胸に刻んでいる。

 さらなるレベルアップのために必要なものは「繊細さ」だ。高津投手コーチは「強気は彼の持ち味だけれど、同時に繊細さも身につけてほしい。状況や場面に応じての投球や、押したり引いたりする駆け引き、細かいコントロールを身につけてほしい」と期待を寄せる。飛躍に向け、NPB通算286セーブを誇る名ストッパーであった同コーチの手ほどきを受ける黄金ルーキー。登板を続ける中で着実に成長を続けている。
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング