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帆足和幸投手・大きな価値あるチーム初完投勝利

 



 試合途中から激しい雨が降りしきった6月6日の広島戦(マツダ広島)。最終回に無死からソロ本塁打を浴びた帆足和幸が、その後広島の上位打線を冷静に打ち取ると笑みをこぼした。131球を投げ3失点で今季3勝目。西武時代の2011年9月以来となる1001日ぶりの完投勝利は、今季55試合目にしてチーム初完投となった。そこまで12球団で唯一完投のなかったチームにとって、価値ある大きな1勝となった。「打者の皆さんに感謝。大量リードの展開だったし、今まで後ろの投手にお世話になっていたので」

 試合後、顔についた水滴と汗をユニフォームの袖でぬぐいながら帆足は充実の表情を浮かべた。試合中盤から激しい雨が降り始めたが、マウンドを降りるつもりはなかった。8、9回と首脳陣から意思確認されたが、「いきます」と即答。超大型補強を行った今季は先発ローテーションこそ充実しているものの、不思議と完投がなく、開幕からリリーフ陣が登板過多気味だった。疲れの出る夏場を前にその救援陣を休ませることに成功し、秋山監督からも「よく投げた」とたたえられた。

 チーム初完投をアシストしたのは、超強力打線だった。3回に打者12人の猛攻で一挙9得点。その時点でセ・リーグ首位を走っていた広島を圧倒した。打線はこの試合で4戦連続の2ケタ安打をマークし、秋山監督も「打線はだいぶつながりだした」と納得の表情を見せた。翌7日の同カードでは21安打16得点とさらに大爆発し快勝。6度目の交流戦優勝こそ最終戦の敗戦で逃したものの、投打がしっかりと噛み合ったマツダスタジアムでの1勝は日本一奪回へ向けて勢いのつく白星だった。
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