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中畑清監督・鬼門で「格好いい勝ち方」

 



 試合に関わった全員がヒーローと言っていいだろう。「格好いい野球ができた。こういうゲームを夢見ているところがあった」。2対1で逃げ切った5月6日の巨人戦(東京ドーム)。中畑清監督は目を潤ませまくし立てた。

 2回、主将・石川の2点打で先制した。その裏に1点を返されたが、先発・久保が6回まで最少失点のまま踏ん張った。7回から長田─ソーサとつなぎ、最後を託されたのはドラフト4位ルーキーの三上。「いつもどおりで行くつもりだったけど、緊張しました……」。9回の1イニングを無失点に抑え、プロ初セーブを手にした。

 長田、ソーサは不調で二軍降格中だが、最大の収穫が勝ちパターンを確立できたことだ。救援陣の弱体化が低迷につながってきた背景もあるだけに、中畑監督は「一番後ろが三上で決まった。あれは本当に大きかった」と述懐。新人右腕も「固定してもらったので、やらなきゃいけないなと思った。毎試合、毎試合、とにかく必死です」と意気に感じ、この巨人戦からセーブを積み上げている。

 過去2年間の巨人戦は9勝35敗4分け。東京ドームでも2勝14敗2分けとボコボコにされてきた。「今年は巨人戦の勝率を5割でいく」。中畑監督は早くから目標設定し、鬼門の東京ドームで白星スタートした。しかも、この同カードに勝ち越し。天敵攻略へのヒントも同時につかんだ。

 開幕から故障者に苦しみ、最下位に沈んでいる。だが、今までと違うのは投手陣に厚みが出てきたことだ。井納はエース格に成長、育成出身の萬谷がセットアッパーに定着している。攻撃面では、ブランコ、荒波が後半戦から復帰予定。逆襲の根拠は十分にある。
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