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後藤武敏内野手・プロ12年目の努力の人

 



 努力が実を結ぶ典型だろう。「狙って打てるわけじゃないですけど、僕のホームランでお客さんが盛り上がってくれるのは本当にうれしいですよ」。開幕二軍から自力で這い上がり、今ではすっかり攻撃に厚みを持たせているベテラン。逆転でCS進出を目指すDeNAにとって、後藤武敏は絶対不可欠な戦力となった。

 今季初めて一軍昇格したのは5月7日の巨人戦(東京ドーム)。即「四番一塁」で起用され、第1打席で左越えソロを放った。左内転筋痛のため、同11日に登録抹消。「しっかりと治して、いい準備をしたい」と地道にリハビリを続け、6月18日のロッテ戦(横浜)で「四番DH」として再昇格を果たした。すると、ここでも1打席目にバックスクリーンへ2号2ラン。25試合の出場で5本塁打。5つの勝利打点は筒香とともにチームトップの数字だ(7月24日現在)。

 プロ12年目。代打の経験も豊富だからこそ、「いかに1打席目で結果を残せるか」(後藤)を重要視してきた。実際に第1打席での成績は22打数10安打の打率.455、3本塁打。初球打ちでも打率.417(12打数5安打)、2本塁打と有言実行している。

「よく練習するし、見ていて気持ちいいよな。ほんと一生懸命だもん、あいつは……」。丸刈り頭の熱血漢に信頼を置くのは中畑監督。7月23日の中日戦(横浜)では不振のバルディリスに代わり、7年ぶりに三塁も守った。

「僕の立場は試合に出てナンボだと思う。やっぱり、ハマスタでお客さんの歓声を聞くのは気持ちいいですからね」。仲間やファンから“ゴメス”の愛称で親しまれる大砲。豪快なアーチで、真夏の主役を張る。
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