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斉藤彰吾外野手・高い盗塁成功率で勝利を引き寄せる

 



 数こそ10と、チーム3位の盗塁数だが、成功率は83.3パーセントの高さ(8月21日現在)を誇っているのが斉藤彰吾である。試合終盤での斉藤の盗塁は、1点を争う接戦で欠かせない戦力となっている。8月12日のオリックス戦(西武ドーム)では、1点リードを許して迎えた10回裏、一塁走者の代走として出場すると二盗成功。犠打で三塁に進み、ワイルドピッチで隙を突いて生還し、この試合4度目の同点に追いついたのだった。斉藤の足について、「代走起用としてスキルを磨きながらまずは30盗塁、スタメンとして常時出られるようになれば40〜50盗塁できる選手」と奈良原守備・走塁コーチも大きな期待を寄せる。

 自身も、走ることについては特別な意識をもって取り組んできた。今季開幕前、熊代、木村とのライトの定位置争いの中で、特にアピールした部分が走塁だった。今季は5月4日から約1カ月間登録抹消となったが、課題とする「スタート、スライディング」を徹底的に研究し、レベルアップに努めた。

 7月2日の日本ハム戦(西武ドーム)、斉藤は8回裏に栗山の代走として出場。9回に回ってきた打席でプロ初本塁打を放ち、サヨナラ勝利のヒーローとなった。当然、喜びは大きかったが、自身がその日「サヨナラ本塁打以上にうれしかった」と語ったのが、代走として決めた7個目の盗塁だった。自身4月29日以来、一軍再登録後は初となった盗塁は「一瞬の判断と感覚がつかめてきた。攻めの気持ちでスタートを切れるようになったのが大きい」と自信を高めてくれた。「僕の足がチームのラッキーアイテムになれば」。一つでも先の塁へ。今季、その代名詞ともなる武器を身につけつつある。
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