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ユーキリス内野手・期待を裏切った大物メジャー・リーガー

 



 早すぎる戦線離脱でチームに及ぼした影響は計り知れない。ケビン・ユーキリス。メジャー通算150本塁打という実績を引っさげ、今シーズンから加入したものの21試合に出場して1本塁打、打率.215。4月26日のオリックス戦(ほっと神戸)を最後に、左かかとを痛めて帰国。全治3カ月と言われたが現在も日本にはおらず、このまま退団が決定的となっている。

「五番・一塁」という定位置を与えられ、開幕カードの3月29日の西武戦では本塁打で勝利に貢献。だが、目立った活躍はこれくらいだった。07年にはゴールドグラブ賞を受賞した過去もあって、攻守ともに大きな期待を背負ったものの、それを裏切る結果となった。

 リーグ優勝、日本一を勝ち取った昨年、チームで存在感を示したのがケーシー・マギー。現在はメジャーに復帰して活躍中だが、当初、球団関係者は「その抜けた穴を十分に埋めてくれる」と自信を示していた。1カ月での帰国は大誤算といえる。星野監督はユーキリスの離脱について具体的なコメントはしていないが「外国人がいいチームはいい位置にいる。外国人がダメだと、チームの成績もダメになる」と語った。チームは現在、最下位(9月4日現在)。リーグ優勝どころか、Aクラスも厳しい状況となっている。

 ユーキリスの帰国で慌てたチームはその後、ボウカー、ラッツ、エバンスと続々と外国人打者を補強。ボウカー、エバンスは期待に応えられず、ラッツは死球で右手を骨折して離脱。A.ジョーンズ以外は全員がファームという状況だ。実績十分の助っ人だったが、昨年の日本一チームのプランを大きく狂わせた。
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