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J.ロペス内野手・ここ一番で大きな働き

 



 いろいろな顔をのぞかせる。ここ一番で勝負強さを発揮したかと思えば、あっさりと凡退もする。価値ある本塁打を放っても、粗い三振が目立つことも。ロペスを点数で計ることは難しい。

 開幕当初は100点満点の働きだった。10試合目までは打率.349、5本塁打、15打点とチームに大きく貢献していた。「だいぶ分かってきた」と来日2年目で、日本球界の配球傾向などを頭に入れ、きっちりと対応していた。ただ、好調は長くは続かない。徐々に左方向へ無理に引っ張る打撃に走り、好機でも打てなくなる。4月が終わったときには打率が.266にまで落ち、スタートダッシュに成功しておきながら、打点も21にまでしか伸びなかった。その後も好不調の波が激しく、打順が下位に落ち、先発を外れる試合も多くなる。

 ただ、そのまま不調を引きずることはなかった。優勝争いが本格化してきた8月後半、価値ある働きを見せる。まず、8月22日の中日戦(東京ドーム)。引き分け目前の延長12回一死満塁からサヨナラ犠飛で試合に決着をつけた。さらに26日の東京ドームで行われた2位・阪神との直接対決では、2対3の9回に同点とし、なおも二死二塁でロペスに打席が回った。阪神の守護神・呉昇桓を相手にフルカウントから中前に運び、またもサヨナラ打。「反対方向にと強く意識した。すべてのボールに準備していた」と悪いクセの強引な打撃は消えていた。

 優勝へ、負けられない戦いが続くが「シーズンの最後、リラックスすることが大事」とロペスは口にした。好機でも気負わず、平常心を貫く。ここからの働きで、点数は大きく跳ね上がる。
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