週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

ミコライオ投手・抑えとしてチームを支える大黒柱

 



 守護神がドシッと構えていれば、チームは安定する。長身右腕キャム・ミコライオの存在感は数字以上に大きい。8月30日の中日戦(ナゴヤドーム)では2点リードの9回に登板し、あっさり三者凡退に仕留めて今季20セーブ目を記録した。来日1年目の12年から3年連続で20セーブ以上を達成。広島では大野豊(91〜93年)、永川勝浩(06〜09年)に次いで3人目となり、外国人投手では初の快挙となった。

「数字を残せて正直うれしい。過去に活躍された偉大な投手の記録に並べて光栄だし、とてもうれしいよ」

 前日29日の同カードは延長10回裏に登板し、1点リードを守れず同点とされていた。失敗を翌日に引きずらないところに真骨頂がある。「昨日はリードを守れず本当に悔しい思いをした。でも過去には帰れない。次に進むことが大事なんだ。失敗やつらいこともあるけど、それを乗り越えられないと、抑えもそうだけど、野球選手としてやっていけないからね」。雪辱のマウンドでは150キロ超えの速球を連発。守護神のプライドが投球に込められていた。

 9月4日時点で防御率は1.63。23年ぶりのリーグ制覇を目指すチームの土台となっている。悔やまれるのは約1カ月間の離脱だ。5月9日の中日戦(マツダ広島)の登板後に左足内転筋の強い張りを訴え、翌10日に出場選手登録を抹消された。夫人の出産に立ち会うためにアメリカに一時帰国し、一軍復帰した6月4日、日本ハム戦(札幌ドーム)まで空白の期間を作ってしまった。ただ、現時点でマイナスポイントはこの離脱ぐらい。優良助っ人としての立場はもう揺るぎない。
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング