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岡島秀樹投手・日本一まで粉骨砕身の覚悟

 



 円熟のプロ21年目、節目の記録を“モチベーション”にして投げてきた。今年達成できる可能性があった節目の数字は二つあり、一つは4月8日に達成した日本通算500試合登板。もう一つが、8月31日に達成した日米通算800試合登板だった。メジャー・リーグ266試合を含むキャリア。ただ「アメリカでは2年間マイナー。もう少し投げられたのでは」と、満ち足りた感はない。

 巨人日本ハムからレッドソックスでの5年間を経て、2012年にソフトバンクで日本球界復帰。56試合で防御率0.94と活躍したが、メジャーへの思いが捨て切れなかった。1年で米球界復帰を希望し、オフに自由契約扱いで退団。アスレチックスで1年を過ごし、また1年で帰ってきた。「僕のわがままでアメリカに挑戦させてもらったのに、温かく迎えてもらった。ここで終わる覚悟で来た」と骨をうずめるつもりで出戻りを決めた。

 とにかくタフな左腕も、故障と無縁ではいられない。開幕からセットアッパーを務めたが、7月末、左ふくらはぎの肉離れで離脱。ただ、年齢的にも長期化しがちな筋肉系の故障で、離脱期間を1カ月に抑えた。「(登板)試合数より、1年間ケガをしないで働き抜く」という復帰当初の目標が果たせなかった。それだけに、悠長にリハビリを続けるつもりはなかった。

 自身が日本を離れている間に統一球の仕様が変わった。とはいえ、今季の黒星、自責点、被弾数は12年シーズンを上回った。一方で、40を超えた登板試合数は、求められる水準並みだろう。あとはチームの成績だ。「恩返ししたい。優勝を目指して」。日本一に立つまで身を粉にする。それも自身にとっての最低ラインと言える。
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