最低ラインとは言えないかもしれない。ただ、シーズン終盤、優勝争いが本格化してきた時期にきっちりと調子を上げてきた。
内海哲也は「(前半戦で)チームに迷惑を掛けてきた。大車輪の活躍ができるようにしたい」との言葉どおりに、9月に入って価値ある投球を見せている。
9月12日の
DeNA戦(東京ドーム)は4安打に抑え、完封勝利。「自信を持って投げた」とキレのある真っすぐで強気に攻めた。5日の
ヤクルト戦(神宮)は6回途中4失点と崩れていたが「マイナスの気持ちは捨て、強い気持ちを持って投げた。自分はやれるんだ、という気持ちで」。小山や澤村ら若手が好投を続ける中で、投手陣の柱も負けていられない。「僕が引っ張らないといけないのに、引っ張ってもらっている。申し訳ない」と発奮した。
19日のヤクルト戦(東京ドーム)は8回途中2失点と粘り、今季6勝目。攻撃でも4回に鮮やかにスクイズを決めた。終盤での自身2連勝に「素直にうれしい」と笑顔を見せた。序盤はピンチを背負ったが、持ち味の粘り強い投球を披露。1、2回と続けて先頭打者の出塁を許したが、ともに左打者の内角球で併殺打に仕留めた。「あそこでうまく乗っていけた」と手応えを口にした。前半戦にケガで1カ月以上離脱した期間があったが、規定投球回数のクリアも目前に迫ってきた。「あまり気にせずに、1イニング、1イニング、しっかり投げられるようにしたい」と足元を見つめる。
黒星が8を数えるだけに、もちろん満足感はない。「もう終わりだけど、残りをしっかり勝っていけるようにしたい」と左腕は力強く誓った。