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安達了一内野手・3年目の飛躍

 



 即戦力内野手として2011年にドラフト1位指名を受けた安達了一。プロ入りから3年が経過し年々進化を見せている。「数字だけを見れば今までで一番の成績を残せたが単純なミスが多かった。まだまだ力が足りない」。今季は143試合に出場し打率.259、8本塁打、50打点、29盗塁。すべての部門でキャリアハイを残したが満足することはなかった。

 ルーキーイヤーからプロの厳しさを味わいながら成長していった。1年目は春季キャンプで右手中指を骨折。「いきなりつまずいた。今思えば冷静に考えられる時間をもらったのかもしれない」。結局、この年の一軍出場は50試合に終わり目立った活躍はなかった。転機が訪れたのは2年目。正遊撃手の大引がトレード移籍し「棚ぼた」でレギュラーを手にした。森脇監督は「自らつかんだものじゃない。与えられたものだった」と語り、本人も「あの年は自分の力で奪ったものじゃない。だからあのときの経験をムダにしたくなかった」。144試合のシーズンを戦い抜く過酷さを痛感したことで、3年目の飛躍につながった。

 今季、チームはソフトバンクと最後まで優勝争いを演じ、6年ぶりにAクラス入り(2位)を果たし、クライマックスシリーズ(CS)にも出場。日本ハムとのCS第1戦はペーニャの負傷欠場もあり、「五番・遊撃」で出場するなど短期決戦で得た経験は大きかった。だが、守備では送球ミス、バント失敗など凡ミスが目立ったのも事実。「監督、コーチからも普通のプレーを普通にやることが一番と言われている。秋のキャンプではもっと鍛えたい」。あと一歩で逃した悲願のリーグ制覇。悔しさを糧にさらなる高みを目指す。
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