週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

大田泰示外野手・確かな一歩を刻み、いざ、レギュラー取りへ

 



 プロ6年目を迎えた。神奈川・東海大相模高からドラフト1位で入団し、長距離砲として期待され続けてきた大田泰示が「1打席1打席が勝負。集中して臨む」とシーズン終盤に目を見張る活躍を見せた。

 8月8日に出場選手登録され、当初は主に代走や守備固めで出場を重ねた。その中で、9月17日の広島戦(マツダ広島)。6対7の8回無死一塁で、代打で起用されると、バントも十分に考えられる場面で、原監督からは「思うように打て」と強攻策を命じられた。指揮官の言葉どおりに初球から振って出て3球目。低めの変化球に何とかタイミングを合わせ、最後は左手一本で払うようにとらえて左越えに逆転の2ランを放った。2季ぶりのアーチを地元の広島で架け「無我夢中だった。とにかく打つことだけを考えた。勝ちを決める一発なので、すごくうれしい」と充実した表情だった。

 入団時から球史を代表するホームラン打者の松井秀喜氏が背負った背番号55をつけたが、ここまではその期待に応えられているとは言えなかった。今季は背番号を44に変更し、心機一転。二軍での生活が続いていたが、シーズンが佳境に入り、巡ってきたチャンスで自らの力を発揮した。「打てるところは全部振ろうと思っている」とシンプルに打席に立ち、結果を残した。優勝が決まった後の9月27日のDeNA戦(横浜)では初めて四番にも座った。8回には2点適時打を放ち「なかなか打てる打順ではない。自信に変えたい」とうなずいた。

 原監督は大田の成長をホップ・ステップ・ジャンプの「ホップ」と例えた。確かな一歩を刻み、来季はレギュラー取りに挑む。
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング