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古川侑利投手・チームに新風吹き込む若き力

 



 19歳の高卒1年目右腕が存在感を見せた。11月8日、秋季キャンプでの紅白戦だ。「思い切り腕を振ることだけを考えました」。古川侑利は藤田や岡島ら主力がそろう打線を相手に4回2安打1失点。大久保監督の発案で行われた「8人対8人」の特別ルール。考える野球を目指し、守る野手が1人少ない圧倒的に不利な状況ながらも、最速146キロの直球を主体にした投球を低めに集め、凡打の山を築いた。

 続いて通常の9人制で行われた13日の紅白戦でも3回無失点。先頭打者を2度、四球で歩かせる内容ながらも粘りの投球で失点を許さず、指揮官からも「修正力があった」と評価を受けた。ルーキーイヤーは二軍で15試合3勝1敗2セーブ、防御率3.15。9月に一軍昇格しながら、デビュー戦で押し出し四球を与えるなど、ほろ苦いものとなったが、その悔しさをバネに成長を続けている。

 古川だけではない。和製大砲の期待がかかる内田靖人も、その前日の紅白戦で2安打2打点の活躍を見せた。キャンプ最終日、指揮官は名指しで「内田はどんどん良くなっている。まだ時間はかかるけど今日の打球(最終日のフリー打撃)なんて、すごかった。振れるようになってきた」と目尻を下げた。松井裕の同世代たちが、来季以降の期待を抱かせた。

 初めて指揮官として秋季キャンプに参加した大久保監督は「100点満点。みんなが一つひとつ課題をクリアして、個々が追い込んで練習をしていた。大きなケガ人もいなかった」と振り返った。就任直後から「競争なくして強くならない」と言い続けてきた。若い力がさらなる競争力を生み出し、チームの力となる。
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