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坂口智隆外野手・壮絶な優勝争いを成長の糧に

 



 オリックスが常勝軍団への第一歩を踏み出した。今季は開幕から怒とうの快進撃を見せ、最後の最後までソフトバンクと優勝争いを繰り広げた。ベテラン、若手をまとめ上げチームの核として引っ張ったのは選手会長兼キャプテン・坂口智隆だった。「選手のほとんどが経験したことのないシーズンを過ごせたのは今後に生きてくる。優勝するために何が足りなかったのかを個人、個人で考えなければいけない」。6年ぶりにAクラス(2位)入りを果たしたが慢心することはなく、早くも来季に向けた課題を口にした。

 1996年以来となるリーグ制覇は逃したが、投手陣が12球団No.1の防御率2.89を記録するなど森脇監督が掲げる「バッテリーを中心とした守り勝つ野球」を体現してみせた。打撃でもチーム打率.258、盗塁126はリーグ2位、犠打177はトップ。さらにソフトバンクを上回るシーズン80勝をマークするなど数字だけを見れば優勝してもおかしくなかった。

 ソフトバンクが足踏みを続けた勝負の9月。11勝14敗と負け越したのが勝負の別れ道だった。最後の最後で力尽きた場面を坂口は「勝たないといけない試合で勝てたかどうか」と分析した。投手陣の疲労がピークを迎え、糸井、ペーニャ、ヘルマンら主力選手たちのケガが続いた。だが、壮絶な死闘を経験できたことは来季に向け大きな収穫となったのは間違いない。「本当に悔しいシーズンだった。個人としてもチームとしても。今年の経験を糧にしてチーム全体でレベルアップできれば一番上が見えてくる」。オフには中島、ブランコ、小谷野らを獲得。大型補強に成功した森脇オリックスがV奪還に向け動き出した。
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