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栗山巧外野手・必ず来季、雪辱を果たす

 



「厳しい一年だった」

 栗山巧の表情は、実に険しかった。伊原前監督の下、『優勝』を義務付けスタートを切ったチームだったが、35年ぶりとなるまさかの開幕3連敗。3カード目にして最下位に位置すると、その後も連敗を繰り返し、最大借金数は15にまで及んだ。6月4日、監督休養が発表され、田邊徳男監督代行が指揮を執ることとなる。監督交代という劇薬投与の効果もあり、一時は4位まで浮上し、巻き返しも期待されたが、借金を一気に返せるだけの大型連勝はできず、結局、一度も優勝争いに加われないまま、Bクラス、5位という不本意な成績に終わった。

 この歴史的ともいえるほどの屈辱を受けたリーダーは、「ライオンズの歴史にとっては、すごく厳しい現実。黄金時代もあり、『栄光のライオンズ』として受け継いできていました。でも、こういう5位という年もある。この挫折をしっかり胸に刻み込んで、来年からは、“勝ち”に対して、もっとしっかりとやっていかなあかんと思います」と語り、背負った痛みを来季への糧とすることを誓う。

 ただ、「今年の5位という成績は、それで終わったことなのでしょうがないこと」だと、すでに前に気持ちを切り替えているところも、主将として頼もしい限りだ。来季、巻き返しのポイントとして、キャプテンは、「まずは、みんなが万全の状態でそろって(開幕を)迎えられること」を挙げる。非常にシンプルだが、実際、今季は中村、浅村ら主力がケガで実力をフル発揮できなかった影響が大きかっただけに、一層説得力がある。

「とにかく『優勝』。本気でそこに照準を合わせていきたい」

 雪辱は、必ずや来季果たす。
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