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平野恵一内野手・チームをまとめ1996年以来のVへ導く

 



 シーズン終盤に味わった悔しさを必ず晴らす。14年は主に一、二番に座り120試合に出場した平野恵一。チーム打撃に徹しながらも打率.268をマークし、6年ぶりのAクラス入りに貢献したが「本当に悔しさしか残っていない。一番大事なところで試合に出られなかった」とシーズンを終えたときに笑顔はなかった。

 痛恨の1球だった。ソフトバンクと激しい優勝争いを繰り広げていた勝負の9月。24日の西武戦(京セラドーム)、初回の第1打席で左手首付近に死球を受け交代。一軍登録は抹消されなかったが、患部は腫れ上がり、その後は最後まで試合に出場することはなかった。勝てば優勝に大きく近づくソフトバンクとの「10.2決戦」もベンチで敗戦を見届けた。日本ハムとのCSファーストステージも出場なし。チームでは日本人内野手最年長の35歳は「優勝を逃した責任を感じる。申し訳なかった」と振り返った。

 だが、平野恵なくしてオリックスの躍進はない。度重なるケガにも耐え、満身創痍の体でチームを引っ張った。勝負どころの試合に敗れた際には自ら選手を集めミーティングを開くなど、先頭に立ってチームを鼓舞し続けた。森脇監督ら首脳陣もチームリーダーとして高く評価している。

 今オフに球団は15年に向け大型補強を決行。アスレチックス2Aの中島、日本ハムからFA宣言した小谷野を獲得。内野のレギュラー争いは激化するが「チームが強くなればいい。夢は優勝すること。僕はチームをまとめる役割も求められていると思う」と大補強を歓迎した。15年、プロ14年目を迎えるベテランはV奪還を果たすべくチームを引っ張り続ける。
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