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森唯斗投手・新たな挑戦となる新シーズン

 



 新人王は逃したものの、優勝と日本一に対する貢献度はその数字が示していた。3600万円増の年俸4800万円は12球団のルーキーでトップ。58試合に登板し、4勝1敗20ホールド、防御率2.33。ドラフト2位指名だったが、キャンプはB組(二軍)スタート。そこからすべてが変わった1年だった。

「正直ここまで(年俸が)上がるとは思わなかったです」。一流のプロ野球選手と言える十分な対価を得て臨む2年目。ジンクスを考えている暇はなさそうだ。

 就任1年目となる工藤公康監督、新任の佐藤義則投手コーチは、若手は例外なく、まずは先発の調整をさせる構想を抱いているからだ。

「みんながみんな、適応できるとは限らない。ただ、長い回を投げようとすれば新しいボールにも挑戦するし、選手の能力向上につながる」と工藤監督は語る。チームには2年連続70試合以上に登板し、3年目に先発転向後、4年連続2ケタ勝利を上げた攝津の例もある。森にその適性がなかったとしても、新たな挑戦はマイナスにはならない。

 結果を残さなければならない理由もある。昨年12月28日に中高の同級生だった女性と結婚し、責任も背負った。「彼女は仕事を辞めて福岡に来てくれるし、より、頑張らないといけないと思う。責任感のある行動も取りたい」。年明けからは同居もスタート。愛妻のサポートも受けた新たな1年になる。

 先発かセットアッパーか。1月にはその成功例であるエース・攝津の自主トレに弟子入り。「マウンドでどう、打者を観察しているのか、聞いてみたい」。可能性を追求する限り、進化はついてくる。2年目の森には、ジンクスにかまっていられるほどの時間はない。
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