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斉藤彰吾外野手・自らの特長を生かしレギュラー奪取へ

 



 昨季、最もシ烈だと注目された斉藤彰吾、熊代、木村による右翼の定位置争いだったが、結局完全に定位置を奪い切れた選手はいなかった。昨秋から熊代が本格的に内野手を目指しているが、肩脱臼のため長期戦列を離れていた坂田が完全復帰。どこまで絡んでくるのか、今季も右翼のレギュラー争いから目が離せない。

 その中で、定位置奪取へ向けて今オフ開始時から人一倍じっくり黙々と西武第二球場で鍛錬を続けているのが斉藤である。プロ7年目の昨季、キャリアハイの89試合出場を経験したことで、“一軍”の厳しさをあらためて知ったと語る。「年間通して実力をフルで発揮する難しさ」を痛感し、その克服へ向け、自主トレはまずウエート・トレーニングに重きを置いている。

 といっても、決して闇雲に体を大きくしてスタミナをつけるためではない。「体重は増やさず、(自分の特長である)走塁や守備で必要な筋肉をさらに強化する」のが目的。最大のライバルと目される木村、坂田がともに中・長距離打であるのに対し、違った点で勝負する構えだ。だからといって、当然、打撃でも逃げるつもりはない。チーム状況をしっかりと分析した上で、「粘れる、『いやらしい』打者のポジションが、チームで空いている。そこに入りたい」。

 宮地打撃コーチは昨季の成長を高く評価した上で、「裕福に暮らせるのか、『あの人、昔プロ野球選手だったらしいよ』ぐらいに言われて過ごすのか。これから先の将来に大きく影響を及ぼすであろう、すべてを懸ける価値のある一年」だと、斉藤の8年目を位置付ける。「縁の下の力持ち」がモットー。背番号65はレギュラー獲りに本気で燃えている。
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